令和元年登山記録
黒部谷 下ノ廊下 2019年10月20日~22日
令和元年10月21日から22日黒部下の廊下を歩いてきた。 前日の20日、日曜日午前9時に自宅を出発する。高速に乗る前に握り飯とパンを購入、茨城町西インターより入る。 一路信濃大町を目指して北関東―東北道―北関東―関越道―長野道路、麻積インターで下りる。 ここまで来るのに関越道で碓氷―佐久間が台風19号のためか通行止めとなっていた。 18号線で一般道を走り小諸で再入道する。麻積より信濃大町の間は山越えである。どう云う事か扇沢がナビで出てこないので、適当に地図の中で目的地設定をする。
1日目(20日)
午後2時半扇沢到着、準備をしてトロリーバスでダムへ行ため往復の乗車券を購入する。3時頃到着、ここより「ロッジくろよん」までは歩きとなる。リックを担いだ人が結構多く感じた。
4時前に到着しテント設営、テント場は満杯状態であった。直ぐ隣には四国より一人でこられた40代の男性が居た。コンクリート通路の上に座り酒を飲みながらの夕食とお喋り、話が弾んだ。直ぐ暗くなってしまいテントに戻り寝る事とした。携帯は圏内なので自宅などにメールを入れた。
2日目(21日)
翌日3時起床、5時頃出発する。ダムの通路は一般の方はまだ開いていない様であった。前日に登山口は確認しておいたので出口で水をペットボトルに詰め、トイレを済ませヘルメットを被り6時にダムの高さから川底へと下っていった。内蔵助出合いまでは歩きにくい岩場が多かった、針金の手摺が出始めて少し行くと前方には人たちがが止まって混んでいた。谷底を何気なく見ると底にはザックが落ちていることを確認できた、よく見るとヘルメットを被った女性が墜落状態で横たわっていた。ここから先は他の方と同様に、少し神経を遣られた。あまり周りの景色を楽しめなかった。携帯は圏外で通報することが出来ない、聞くと誰かが少し前に仙人ダムを目指していったと言う話だ。落ちた女性は4~5人のグループのようで男性が1人リーダーのようだった。
私は急いで其処を離れ、通報を考えながら先を急いだ、すれ違う何人かに使える電話を持っているかと尋ねたが居なかった。墜落現場はダムより3時間ほど離れている。仙人ダムまで5時間かかると言うことだった。2時間くらい経った頃にヘリコプターが谷の上を確認するように上流へと飛んでいった。
阿曽原温泉で一緒に入っていた方の中に連絡のため先行していたという若い方の話では直ぐ前を歩いていた人のようで、針金から手を離していてバランスを崩し谷側に傾いたと言うことだった。千人ダムへ着く前にヘリが来たので事故現場で衛星電話を持っていた人が通ったのだろうということになった。
20日に墜落、21日に墜落と事故が続いたと話されていた。私の見た感じでは上級者コースでありながらグループで来ている方の中にはリーダーは上級者のようだが、初心者と見られる人が少し多いように感じた。
露天風呂は2時半と4時半の偶数時間は女性用で男性は3時半と5時半との説明があった。その後は真っ暗の状態となっているので行く人は居ないのかも?知れない。
テント場や小屋からは露天風呂までは結構離れているので2度3度と入る人は居ないと思われる。
私は3時半より4時過ぎまで温泉に浸かっていた、テントに戻ってビールを飲みながら疲れた体を休めた。暗くなる頃食事を作り済ませた。6時頃にシュラフに入り、いつの間にか眠った。
3日目(22日)
翌日は小屋主の話では午後より雨が強くなるので早朝出発した方が良いと言われたので3時起床で5時出発の予定を立てた。1時間ほどヘッドランプで歩くと千人ダムへ付く頃にはやっと足元が見えるようになった。このダムの周辺では毎日のように熊が確認されているので注意するように前日ダムを通過するときに関係者の方が話していた。
昨夜9時頃より雨が降り出しテントの片付けなどは雨の中、誰もが大変のようであった。昼頃には雨具を脱ぐことができた。
昨日の事故も気分的に少し落ち着くことができたが、雨のため渡渉してきた水の流れが昨日は靴の中までは濡れなかったが、今日は増水で渉るのが大変だった。別山谷では足首が潜るほどの深さで勢いの激しい激流を渡った。またシャワー程度の所は滝となって流れていた。雨具を付けているので体は濡れないが靴もザックも激しい水を頭から被った。
慎重に歩き危険な所を通り過ぎると、少し安心したのか疲れを体に感じ始めた。前日はすれ違った人が大勢いたが、今日は5名ほどであった。
ダムまであと2時間という所で雨笠を杖にした男性が前を歩いていた。休みながら今朝は何時に出発したのかと聞くと、黒部ダム側から出たのだけれど自分には大変そうなので止めて戻る所ということだった。下のほうはまだ紅葉は早いので丁度よいですねと話した。歩き方を見ると初心者のようであった。
多分テレビなどでは、紅葉の宣伝だけでコースの大変さを話していないのではないかと想像することが出来る。
墜落事故の多いのは安易に入ってくる方々が多いためと思われます。
午後3時ダム到着、直ぐにバスに乗って扇沢無料駐車場に到着。一路自宅へ向かい午後9時20分自宅へ帰着する。
一日目 黒部ダムより阿曽原温泉へ


二日目 阿曽原温泉より黒部ダム









