令和元年登山記録 槍ヶ岳北鎌尾根より山頂を目指す 水俣乗越から天井沢を下り、北鎌沢出合いより登り、北鎌尾根から独標を通過し槍ヶ岳山頂への単独行。(2019年8月17日~20日まで)

現在年齢69歳、62歳より登山を始める(20才頃に4~5山を登る)。 北アルプスは殆どの山を縦走する。 登山記録をネットで調べると記録者の年齢表記が無いので参考にする際、少し不安を覚えるので、読む方の為に敢えて公開します。 今回の北鎌尾根(バリエーションルート)単独踏破に際し、ネットを利用しヤマレコやヤマップその他のHPをグーグル検索で探し色々と調べました。このお礼の意味も込めまして当方の記録と感想を報告し、今後の参考になればと思っています。 行動記録 1日目(17日) 午前3時20分自宅(茨城町)出発、沢渡第2バスターミナル到着午前8時頃、上高地バスターミナルより登山開始(午前9時)。 徳沢10時半、横尾11時半(昼食にカレーを食べる)20分ほど休憩、槍沢ロッジ到着13時5分(宿泊)。 2日目(18日) 午前3時15分頃槍沢ロッジ出発、水俣乗越登山口4時10分、水俣乗越天井沢入り口5時10分頃、北鎌沢出合7時35分頃、北鎌尾根コル12時7分、P9到着14時10分、独標直登、頂上到着16時(ビバーク)。 3日目(19日) 出発午前6時20分、P10(2873m)7時45分、P12 8時20分、P14 9時20分、北鎌平10時5分頃、槍ヶ岳肩10時55分、槍ヶ岳登山開始11時、山頂11時30分、殺生ロッジ到着12時30分(宿泊)。 4日目(20日) 下山開始:6時15分、水俣乗越分岐7時29分、槍沢ロッジ8時10分、横尾9時20分、徳沢10時10分、明神11時4分、上高地バスターミナル12時4分  踏破後の感想  水俣乗越より天井沢側への降り口は分岐標識の所から始まるが、第1歩目を出すのに躊躇してしまうような凄い勾配のザレザレ状態で、どうやって下り始めて良いか考えてしまう状況です。私はストックを挿して、その元に足を置き慎重に一歩ずつ恐る恐る下り始めました。 4mほど下りると脇の藪に隠れたようにザイルが下方向に向かって5~6m伸びていました、引いてみると使えそうなのでそれを利用して残りの急勾配を乗り切りました。でも、まだまだザレザレ状態の急勾配が続きます。草付きの所へ出るとジグザクに下りはじめ、少し安心します。でも、途中雪渓が少し出てきました。ストックでストップを架けながら対岸に移りました。うっすらと残るトレースと自分のルートハンティングを信じて下ります。 1時間半ほど下ると勾配はあまり感じづゴロゴロの岩の上を歩く天井沢下りが続きます。 程なく北鎌沢出合いに着きます(テーブル岩の上のケルンが目印)。沢は上から結構な量の水が流れ落ちています。水は左俣、右俣とも十分な量です。 ネットで調べていたら最終水場2200mと言う記事が出ていたのでそれを頼りに登りました。右俣の流れは2100m(腕時計型高度計)、ihoneGPSは2123m、で止まりました。 上にあることを信じ2210mまで登りましたがありませんでした。まずいと思い、ザックの中身を全部取り出して2リットルのペットボトル2本と500ccのボトル2本を持ち100m下り5リットルの水を確保して登り返しです。 コルを目指して登ると2330m~2360mほどの所にわずかな水の流れがありました。そのままボトルで汲むことはできませんので、コップを利用すれば汲み取ることができます。 北鎌沢は右俣に入りゴロゴロした岩の所を上り詰めれば迷うことは無いと思います。最後の50m位の所で沢は左右に別れ中央に尾根上の岩が出てきます。左右の沢は登行不可に見えます。中央の尾根状を登りつめると1坪ほどのコルが出てきます。 コルの所には「かえらざる碑」のプレートが岩に埋め込めてあります。この前をトラバースして15mほど進むと山の中のアップダウンが始まります。行動記録の中のP・・の数字は正確ではありません。 北鎌沢の登りは全体の中で半分位の体力を消費してしまったように感じます。クライミングとルートハンティングを要求されます。 独標の所まではトレースがしっかりしていると思います(アップダウンしながら這い松や岩の上を歩く)。 独標の下のトラバースロープは4~5mです。岩の下をくぐり抜けると短いロープが下がっていましたが登れそうも無くまた、独標の手前のピークに登るような感じです。ここは素通りして次に出てきた30cmほどの輪になったロープがハーケンに縛り付けてありました。上を見ると丁度独標の真下の様です。岸壁の角度は70~80度ほどで上を見ているとルートが判断できます。足や掴まる所は十分にあると判断してここを登りました。登り始めて15mほどは立っているという感じの勾配です。 上を見ながらルートを右にとって行くと少し勾配はゆるくなりました。落ちたらアウトと言うことを肝に銘じて登ります。 頂上には2張りほどのスペースがありました、ここでツェルトでビバークです。翌日は天候に不安がありましたので夜明けを待ち、ルートがはっきり見えるようになってから午前6時20分に出発しました。 ここから先は目の前に大槍が見えるのですが中々着きません。いくつものピークを越えて行かなければなりません。ピークに登るとき、下を巻くとき、次のピークを考えながらルートを決めていきます。基本は巻いたら登る、次の谷を覗いて決めると言う感じで進みました。P15の下りに付いている紐で縛った目印のすぐ右側を下りました、上から見るとおのずとルートは決まります。 北鎌平を通り過ぎ槍の肩に着くと一休み後、カニのハサミの見える方(左側)へ廻ると岩に丸印が書いてありました。脇に「穂先は近い・頑張れ」と書かれていた。 プレートが岩に埋め込まれています。私はこの左側が登りに適したルートと判断して上の棚へと登りました。そこには故人を偲ぶ個人名を書き込んだプレートが埋め込まれ、脇には数年経過したと思われる100リットル位のザックが岩に繋がれ放置してありました(ピッケルの柄が錆びていた)。殺生小屋に報告すると前からある言うことだった。 槍の穂先への登りはここまでと比べると難なく登れる岩山だと感じた。登りはじめて30分ほどで頂上に到着した。降りるのにも混んでいるので30分も架かってしまった。 殺生小屋へ付く頃にはポツポツ雨が降り出し少し濡れるくらいになっていた。1時間ほど過ぎると勢いよく雨が降り出し翌日まで止まずに強い雨となっていた。 1時間半遅かったら多分槍の肩で進退窮まっていたと思うとぞっとしながら山の神に感謝をしました。 この記事を参考にされる方はすべて自己責任を了解し、判断は自分でして行くとしなければならないと思います。 背負ったザックの重量は家を出るとき8.5kgと水5リットルの合計13.5kgが北鎌のコルでの重量です。 ザイルは持って行きませんでした。靴は短靴のトレッキングシューズ、ヘルメット着用、ガスコンロ持参、雨具、着替え、防寒着、シュラフカバー、ihone6へDIYGPSを入れてログを録りました。

三日目 北鎌尾根独標から槍ヶ岳~殺生小屋へ行く

四日目 殺生小屋から上高地へ行く

一日目 沢渡~槍沢ロッジへ

二日目 槍沢ロッジ~北鎌尾根を行くへ

三日目 北鎌尾根独標~槍ヶ岳~殺生小屋へ行く

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