平成30年登山記録
ブナタテ尾根―水晶岳より読売新道へ
2018/9/17~9/22 七倉ダム~高瀬ダム~ブナタテ尾根~烏帽子岳~野口五郎岳~水晶岳~赤牛岳~読売新道~奥黒部ヒュッテ~平の渡し~くろよんロッジ~黒部ダム~扇沢~七倉ダム9月17日午後1時過ぎ自宅出発、北関東茨城西ICより高速に乗る。長野道路、麻積ICより一般道路を走り信濃大町へ出る。 七倉ダムへは午後5時頃に到着した。今夜はここの駐車場で車中泊である。駐車場には30台ほどが止まっていた。隣の車には広島より登山に来た方が一人で乗っていた。 明日はタクシーの同乗者という話がまとまり就寝についた。ダウンのシュラフは暖かくズボンを脱がないと寝付けなかった。
一日目 9月18日 翌朝4時半頃起き、カップヌードルを食べた。タクシーは5時半過ぎに何台かが来て数人づつ乗せて高瀬ダムまで行く。時間は往復30分ほど掛かる。 私たちは6時過ぎに順番が来た、二人で乗り込むと断りも無く一人が乗り込んできた、仕方ないので同乗して行った。 料金一人700円(2100円)、車中で携帯電話を忘れたことに気づき、取りに戻ったので、一人2000円でもう一度上りなおした。 登山開始時間は7時近くなってしまった。背中の荷物は約16kgで肩にズシリと感じる。ダムの上にはトンネルがありこの中を通り登山道へ向かう。少し行くと沢を渡る、吊り橋があった。 通り過ぎるとテント場があり、粗末ではあるがトイレも完備されている。1時間くらい歩いて沢沿いを進み、沢から離れる所に最終水場という表示があった。 ここから急登が始まる、北アルプス3大急登と言われるだけに急勾配が延々と続く。背中は荷物の重荷で悲鳴をあげはじめる。 烏帽子小屋の直ぐ裏手まで、登りはづっと続いていた。午後1時頃に烏帽子小屋に到着すると、隣の車の方は到着が10時40分だったと言った。小屋止まりとのことだ。 私はテント泊なので申込書を記入して1,000円を支払いテント場へと移動して設営後に前烏帽子へ登った。 前回(2016年9月)来たときに、烏帽子岳は天辺まで登っているので今回は前烏帽子から望んだ。 3時過ぎに小屋に戻り、缶ビールを購入し、水を2l調達してテントへ戻った。4時頃より一人テントの中でビールを飲みながら、夕食の準備である。 程なく500mmのビールは底をつき、持参した焼酎の水割りを作った。ホッとした時間の中、食事を済ませ午後6時前には眠りに付いた。 夜中に起きて見ると夜空は星でいっぱいだった。風が吹くと霧のように細かなスノーダストが見えた。明日は晴天だ。
二日目 9月19日 午前4時半目覚ましをセットしていたが時間前に目が覚めた。 3時頃にガスの温度を上げるため、シュラフの中に入れておいたガス缶を取り出しセットしてお湯を沸かした。 カップヌードルを開けてお湯を注ぎ5分待って食べた。水は野口五郎で調達する事とした。昨夕2リットルの残りだけである。片付けを終わり、6時過ぎに出発した。 天気は上々だ、水晶小屋までの道のりなので、今日はゆっくりと周りを楽しみながら行くこととした。 何度も北アルプスに来ているが、今日のように360度が見渡せたことは無かった。すばらしい景色を堪能することができた。富士山までもが見えていた。 少し残念なのは、稜線下に見えるはずの紅葉がまだ始まっていなかったことだ。午後1時50分水晶小屋到着、外には若い女性が、一人テーブルで休憩していた。話をしていると、この小屋のアルバイトの方で、三つ俣山荘より派遣されていると言う。 まだ登山の経験は無いが、アルバイトの終わりに、どこから降りようかと考えていたので、三つ俣経由で槍ヶ岳を登り、槍沢から上高地へ行ったら良いと話した。 ここはテン場がないので全員小屋泊まりだ。布団一枚に二人と言われたので結構ですと言っておいた。 夕食のみを頼み一泊8600円を支払った。水は天水100円、名水300円(500cc)、夕食のライスカレーはお代わり自由だ。最初にタクシーで来た人とも今日はゆっくりと話すことができた。 東京から一人で出来た人、女性3人で来たウサギ年のメンバー、九州からの人、広島から750kmを車で来た人、小屋の中は満員状態であった。 夜になり布団は一人1枚と言う話が届いた。ゆっくり寝ることができた。就寝午後8時であった。
三日目 9月20日 今日は赤牛岳より読売新道を下り、針の木谷を通るか? 平の渡し場から、黒部ダムへ行くか、まだ決められないで居た。 ロングコースなので早く出る、朝4時に起きた。自炊場に行くともう食べている人が居た。私は最後のカップラーメンを作り食べた。隣の人にどちらの方面と尋ねると、赤牛から下り平の渡し山荘という、時計を見ると4時15分に出て行った。 私は食べ終えて、荷物を片付け午前4時50分に出発した。水晶岳の上で、ちょうど明るくなってきたが、太陽は雲が邪魔して見えなかった。 水晶岳へは前回も来ているので難なく歩いたが、この先の道は未知だ。 上り下りの岩が沢山ある、とても歩きにくいコースが続き、目印も少なくウッカリすると、コース間違いを起こすような道が続きます。 このコースは歩く人が少ないのを理解することができる。昨日のような天気ではないが、周りを見渡すことは出来た。 今日は午後から崩れると言う。水晶岳到着5時50分、赤牛岳到着9時、4時15分に出発していた前の人がここで休みを終えた所のようだ。 先に下っていった。10分ほど休んで出発、目の前には岩のピークが幾つもある、歩きにくそうな道が見えている。岩場の切れ落ちた、歩く幅も狭く、気の抜けない場所があちこちにある。 道を注意しながら数時間進むと、岩場からざれ場、樹木帯へと条件が変わっていく。途中で泥濘が出てくると言う情報を元に、長靴を用意していたので履き替えた。 木の根や岩や段差がある、非常に歩きにくい上に、太い木がコースを塞ぎ、這って行かないと通過できない箇所が何度も出てきた。 熊も出そうな感じなので鈴を鳴らしながら行く事とした。午後1時頃には雨が降り出した。 合羽を付けるほどではないので、少し濡れるのを覚悟で歩きを早め歩き続けた。 針の木谷までは11時間のコースだ。 昨夜の水晶小屋では、奥黒部ヒュッテで情報をもらった方が良いと言うことだった。午後2時過ぎ、やっと奥黒部ヒュッテへ到着、この頃には雨が少し強くなってきていた。 小屋に入り天気の様子と針の木谷のことを尋ねると、今日はずっと雨が続き明日も雨だという、針の木谷は止した方が良いと言う。 素泊まりにしようかと考えていたが、今一人の人がテント場で設営中だというので、テン泊と決めて1,000円を支払った。 キャンプ場所に付いた頃は、もう全身は濡れた状態だが、急いで設営をして中で着替えた。 着ていたものは、濡れたため少し臭いがした。全身着替えて、外に出ることも出来ない状態の雨が続いていた。 合羽をザックから出し、何時でも着られるようにした。少し早いが外は雨、ビールを買ってきて、一人明日のことを考えながら地図を見ていた。 持ってきた地下足袋を使用せず、針の木谷は止める事にした。平の渡しを船で越えることに決めた。 午後6時頃には雨の為か暗くなってきた。食事を済ませ就寝、何度も夜中に目を覚まし、音が静かな時を見計らい、外で用をたした。 明日は歩行時間は少ないが、船の時間が決まっているので10時20分の渡し船に乗ることにした。
四日目 9月21日 昨夜から雨はやまず、ずっと降り続いている。午前5時半起床のタイマーをセットして寝ていたら、時計に起こされて起きた。 急いで食事を済ませ、濡れた衣類などを袋に詰め、紐で小さく締め付けザックの中にしまった。 ここから平の渡し場までは、2時間のコースタイムだ。雨の中、合羽姿で歩くと、このコースは昨日と同じように凄いコースだ。 途中丸太で作った、崖から張り出した、木ハシゴや沢の上の橋等、普通のとび職にはとても架ける事ができないような足場が延々と出てくる。どうやって作ったのだ。 一箇所壊れていたら前進は不能だろう、戻るとしたら大変なことになるだろう等、想像しながらの山歩が続く、途中若い夫婦組に追い抜かれた。 また、昨夜一緒だった東京からの男性にも抜かれた。どうせ船の時間は一緒だから慌てずに歩いた。平の渡し場へ降りる、はしごを下ると湖岸には何も無く、石の上に腰掛けて40分ほど、周りの方と話し込みながら待った。 針ノ木避難小屋は、この先20分ほどの所のようだ。当初の計画は針の木谷を歩き、船窪分岐より船窪岳へ上がる予定にしていたが、雨の為や、ここまでの山歩の疲労により、意欲消失で計画を変更した。 今の時期だと早朝の渡渉は、ザブザブ水に使って歩くと、出た後の冷たさが、身に凍みる事だろう。日中になると、冷たさも耐えられると思うが、夏の方が無難か。 10時過ぎに船はやってきた、定員12名ライフジャケットを付け、名簿記入後時間通りに出航した。 田中陽気氏の話が出た、船の上で涙を流していたと言う。泳いで渡ってはだめかとの話は出なかったようである。下船後、ロッジくろよん、目指して歩いた。 水は小さな沢が何箇所もあったので水の補給は楽だった。雨の日でないと流れていないかもしれないが、大きな沢は数箇所あった。 ロッジくろよん到着は、午後2時半頃、少し休憩して出る。黒部ダムには3時頃に到着した。 関電トロリーバスへ行くと体が濡れているので注意をされた。ザックカバー外す、ズボンとジャンバーを脱ぎ、半そでのTシャツを着た。ストックも仕舞って欲しいとのことだった。 バスの時間は3時35分、15分くらいで扇沢へ到着とのこと。料金1540円、扇沢へ着くとタクシー乗り場に向かった。居なかったので電話で送迎をお願いした。 七倉ダムまでのタクシー料金は6500円だった。到着午後5時頃、七倉山荘で温泉(入浴料650円)に浸かり、5日間の垢を落とし車中泊とした。 明日は土曜日で、3連休の為か午前0時頃になると4時頃までの間に、車が40台近く駐車場に入ってきていた。 天気の良いことを祈ります。
三日目 赤牛岳を越えて






四日目 奥黒部より黒部ダムへ行く























